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若い人は尋ねる

どうしてうちの親は分かってくれないんだろう

どうしてうちの親は分かってくれないんだろう

次の場面を想像してみてください。

金曜日の夕方6時,17歳のジムは玄関に向かって走ります。親に「行ってきます!」と言い,いつもの質問が返ってこないことを願います。

でも,そうはいきません。

「何時に帰ってくるの?」と,お母さんから聞かれます。

ジムは立ち止まります。「えっと……起きて待ってなくていいからね」。ドアを勢いよく開けて出て行こうとしますが,お父さんに呼び止められます。「ジム,待ちなさい!」

再び立ち止まると,お父さんの厳しい声が聞こえます。「分かってるな。門限は10時だぞ。絶対だ!」

ジムは不満そうに訴えます。「お父さん,早く帰らなきゃって友達に言うのがどんなに恥ずかしいか,分かる?」

お父さんは譲りません。「絶対10時に帰ってきなさい!」

あなたもきっと同じような経験があるでしょう。門限でなくても音楽や友達や服などについて,親がきまりを作り,あなたの言い分を全然聞いてくれないかもしれません。例えば……

「継父は母と結婚してから,僕の好きな音楽にいろいろと口出ししてきました。結局,CDを全部捨てることになりました」。―ブランドン。 *

「母から,友達を作りなさいって言われました。でも,だれかと遊ぼうとしたら,その子はよく知らないからだめって言うんです。いらいらします」。―キャロル。

「父と継母は,ぴったりしたTシャツはだめだと言って着させてくれません。それに,父はショートパンツはひざ上だと短すぎるって言います」。―セリーナ。

親と意見が合わないときはどうしたらいいでしょうか。話し合うことができますか。17歳のジョアンは「うちの親はほとんど話を聞いてくれません」と言います。15歳のエイミーも,「親に分かってもらえないと思うときは,何も話さないようにします」と言います。

でも,簡単にあきらめないでください。あなたが思っているよりも,親は聞いてくれるかもしれません。

考えてみてください。神も人間から何かをお願いされるとき耳を傾けます。例えば,モーセが頑固なイスラエル人のために願い出たとき,エホバはお聞きになりました。―出エジプト記 32:7-14。申命記 9:14,19

でも,うちの親は神ほど心が広くない,と思うかもしれません。それに,モーセが国民の将来についてエホバに話すのと,あなたが夜遅くなることについて親に話すのとでは,全くレベルが違うかもしれません。それでも,どちらにも当てはまる点があります。

もしあなたにもっともな言い分があるなら,権威のある人 ― この場合は親 ― は聞こうとするものです。

聞いてもらうための鍵は,どのように話を持ち出すかです。以下のステップを踏むとうまくいくでしょう。

  1. 問題になっていることをはっきりさせる。何について親と意見が合わないのか,下に書いてみましょう。

  2. 自分の気持ちをはっきりさせる。その問題に関する親の考え方のために,どのように感じていますか。傷ついている,悲しい,恥ずかしい,信用されていないと感じるなど,気持ちを下に書きましょう。(例: 記事の冒頭の場面では,ジムは親の決めた門限について友達に言うのが恥ずかしいと感じています。)

  3. 親の立場になって考える。自分に,ステップ1で挙げた点で悩んでいる十代の子どもがいると考えてみてください。親の立場からすると,どんなことがいちばん気がかりでしょうか。なぜですか。(例: 冒頭の場面では,親はジムが危険な目に遭わないかと心配しているかもしれません。)

  4. 問題についてもう一度考えてみる。以下の質問に答えてみましょう。

    親の見方にはどんなもっともな点があるか。

    親の不安を和らげるために何ができるか。

  5. 親と話し合い,どうすればいいか一緒に考える。これまでのステップを踏み,「 うまく話し合うためのヒント」を参考にするなら,親ともっと上手に話せるようになるでしょう。ケリーはそうしています。「口げんかをしても何にもなりません。不利になるだけです。親とじっくり話し合ったほうがうまくいきます。たいていはお互いに歩み寄ってどちらも満足できる結論が出ます」。

 

^ 12節 この記事に出てくる一部の名前は変えてあります。